「シェイクスピアのいずれかの劇の背景や衣装をデザインする際に、まず決めなければならないのは、その劇に最もふさわしい時代設定である。この設定は、劇中に出てくる歴史的な言及よりも、その劇の持つ全体的な精神によって決めるべきである」

オスカー・ワイルド
オスカー・ワイルドの名言
  • 1854年10月16日~1900年11月30日
  • アイルランド出身
  • 作家、詩人、劇作家
  • 『ドリアン・グレイの肖像』『真面目が肝心』『サロメ』などの小説、戯曲、詩を執筆し、ウィットに富んだ社会批評とユーモアを通じて、19世紀後半のイギリス文学に大きな影響を与えた

英文

“In designing the scenery and costumes for any of Shakespeare’s plays, the first thing the artist has to settle is the best date for the drama. This should be determined by the general spirit of the play more than by any actual historical references which may occur in it.”

日本語訳

「シェイクスピアのいずれかの劇の背景や衣装をデザインする際に、まず決めなければならないのは、その劇に最もふさわしい時代設定である。この設定は、劇中に出てくる歴史的な言及よりも、その劇の持つ全体的な精神によって決めるべきである」

解説

オスカー・ワイルドはこの名言で、シェイクスピア作品の舞台美術や衣装をデザインする際には、作品の持つ「精神」や雰囲気に基づいて時代設定を決めるべきだと述べている。シェイクスピアの劇には特定の歴史的な言及が含まれることがあるが、ワイルドはそれらに縛られず、作品の本質的なテーマや感情が反映される時代設定やデザインを優先するべきだと考えている。この言葉には、歴史的な忠実さに固執することよりも、作品の精神やテーマを重視し、観客に強く訴えかける表現を追求する芸術家の役割が示されている。

この名言は、現代においても芸術表現における本質と時代設定の関係について考えさせる。劇や映画、文学作品などにおいて、単なる歴史的な再現ではなく、作品の持つ普遍的なテーマや感情を引き出すことが表現の深さや説得力を生むとされる。たとえば、シェイクスピアの作品を現代に置き換えて演出することで、現代の観客にとって身近で理解しやすい形で物語の本質が伝わることがある。ワイルドの言葉は、芸術が歴史的な正確さにとらわれず、テーマの普遍性を引き出す方法で演出することの意義を強調している。

また、この名言は、芸術の解釈と視覚的表現についての洞察も提供している。ワイルドは、芸術家が単なる再現に終わるのではなく、作品の精神を理解し、それを伝えるために最も効果的な時代や雰囲気を選択する責任を持つことを示唆している。この考え方は、芸術家が作品のテーマを深く理解し、観客に伝わる形で解釈することの重要性を伝えている。この名言は、表面的な歴史的正確さではなく、作品の真髄に触れる表現方法を追求することが芸術家の役割であることを再認識させてくれるものである。

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