「アメリカはコロンブス以前にも何度も発見されていたが、それはいつも隠されてきた」
- 1854年10月16日~1900年11月30日
- アイルランド出身
- 作家、詩人、劇作家
- 『ドリアン・グレイの肖像』『真面目が肝心』『サロメ』などの小説、戯曲、詩を執筆し、ウィットに富んだ社会批評とユーモアを通じて、19世紀後半のイギリス文学に大きな影響を与えた
英文
“America had often been discovered before Columbus, but it had always been hushed up.”
日本語訳
「アメリカはコロンブス以前にも何度も発見されていたが、それはいつも隠されてきた」
解説
オスカー・ワイルドはこの名言で、アメリカ大陸の「発見」という概念を皮肉交じりに捉え、歴史の語り方や公認される「発見者」という考え方を批判している。アメリカ大陸には、コロンブスが到達する以前にも他の文化や民族が訪れていたとされ、特にバイキングや先住民たちははるか昔からそこに存在していた。しかし、「発見」として認められるのは、歴史的に影響力のある人物や出来事だけであり、それ以外は見過ごされてきたという考えがここには含まれている。ワイルドはこの言葉を通じて、歴史がしばしば勝者や影響力を持つ者によって都合よく語られることへの批判と、公式の歴史認識の偏りを指摘している。
この名言は、現代においても歴史の解釈と視点の重要性について考えさせる。歴史は一面的な物語であることが多く、特に「発見」や「開拓」といった概念は、しばしば特定の視点からのみ語られる。アメリカ大陸の場合も、コロンブスの「発見」が強調されることで、その他の民族の存在や発見が黙殺されがちである。ワイルドの言葉は、特定の視点に基づいて形成された歴史が、どのようにして一部の事実を覆い隠し、特定の解釈を一般化するかについての洞察を示している。
また、この名言は、公式の歴史認識とその限界についての洞察も提供している。歴史が勝者や権力者の視点により編纂されることで、他の視点や出来事が見過ごされることが多い。この考え方は、教育やメディアにおける歴史の伝え方について再考し、異なる視点や見方を含む包括的な歴史を重視する意義を強調している。ワイルドのこの名言は、歴史を一面的に捉えることなく、隠された事実や他者の視点を考慮することの重要性を再認識する機会を提供してくれるものである。
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