「アメリカ人とその同盟者を殺すこと——民間人も軍人も含め——は、それが可能なあらゆる国で実行できるムスリム一人ひとりの義務である。それはアル=アクサー・モスクと聖なるモスク(メッカ)を彼らの支配から解放し、彼らの軍隊をイスラームの地から敗北させて退去させ、いかなるムスリムも脅かせないようにするためである」

- 1957年3月10日~2011年5月2日(54歳没)
- サウジアラビア出身
- イスラム過激派指導者、テロ組織アルカーイダの創設者・指導者
英文
”The ruling to kill the Americans and their allies — civilians and military — is an individual duty for every Muslim who can do it in any country in which it is possible to do it, in order to liberate the al-Aqsa Mosque and the holy mosque [Mecca] from their grip, and in order for their armies to move out of all the lands of Islam, defeated and unable to threaten any Muslim.”
日本語訳
「アメリカ人とその同盟者を殺すこと——民間人も軍人も含め——は、それが可能なあらゆる国で実行できるムスリム一人ひとりの義務である。それはアル=アクサー・モスクと聖なるモスク(メッカ)を彼らの支配から解放し、彼らの軍隊をイスラームの地から敗北させて退去させ、いかなるムスリムも脅かせないようにするためである」
解説
この言葉は、宗教的義務を名目に無差別殺戮を正当化する危険な過激思想を端的に示している。ビン・ラーディンは政治的・軍事的対立を宗教の枠組みに組み込み、民間人を含む全ての相手を攻撃対象とした。このような論理は、暴力を普遍的な義務に変え、終わりなき対立と報復を招く危険性を孕んでいる。
歴史的に見れば、これは1990年代以降に顕著となった国際テロの思想的基盤の一つであった。特に1998年の「世界イスラーム戦線」の声明では、アメリカ人やその同盟国の殺害を義務とする内容が明示され、後の大規模テロの思想的正当化に利用された。この種の言説は、宗教的使命感を利用して暴力を合理化する構造を持つため、個人が過激化する入口となりやすい。
現代社会において、この名言は過激思想がいかに人間の倫理観をねじ曲げるかを警告している。特定の集団を絶対的な敵と規定し、暴力を宗教や正義の名で美化することは、社会の分断と果てしない対立を生む。これに対抗するには、教育・対話・国際協力を通じて、信仰と暴力を切り離し、宗教を平和の源泉とする理解を広げる必要がある。この言葉は、その危険性を直視するための悪例とすべきである。
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