「いや、我々が戦うのは、圧政の下で眠ることをしない自由な人間だからだ。我々は自国に自由を取り戻したい。おまえたちが我々の国を荒廃させるように、我々もおまえたちの国を荒廃させるだろう」

オサマ・ビンラディン(画像はイメージです)
ウサーマ・ビン・ラーディン(画像はイメージです)
  • 1957年3月10日~2011年5月2日(54歳没)
  • サウジアラビア出身
  • イスラム過激派指導者、テロ組織アルカーイダの創設者・指導者

英文

”No, we fight because we are free men who don’t sleep under oppression. We want to restore freedom to our nation, just as you lay waste to our nation. So shall we lay waste to yours.”

日本語訳

「いや、我々が戦うのは、圧政の下で眠ることをしない自由な人間だからだ。我々は自国に自由を取り戻したい。おまえたちが我々の国を荒廃させるように、我々もおまえたちの国を荒廃させるだろう」

解説

この言葉は、自由を掲げながら暴力を正当化する過激思想の典型である。発言では「自由を奪われた被害者」という自己像を強調し、それを根拠に相手国への破壊を正当化している。しかし「自由の回復」と「報復による荒廃」を同一視する論理は、自由の本質を歪め、暴力を正義として美化する危険な構造を持つ。

歴史的背景としては、アメリカの中東介入や経済制裁、パレスチナ問題などに起因する不満がある。ビン・ラーディンはそれらを「圧政」として描き、戦いを「自由を取り戻す行為」と位置づけた。しかし、その「自由」とは市民社会の権利や多様な価値の尊重ではなく、暴力的報復を通じた一面的な政治目的であった。このような論理は、国際的な共感を得るどころか、さらなる憎悪と対立を生む要因となった。

現代において、この発言は「自由」という言葉の濫用がいかに危険であるかを警告している。自由は本来、対話・法の支配・人権尊重によって守られるべきものであり、報復や破壊によって実現されるものではない。したがって、この言葉は「自由を大義名分に暴力を正当化する思想」がいかに社会を破壊するかを示しており、自由を掲げるならこそ非暴力的手段を取る必要性を強調している。

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