「もし人々をそれに駆り立てることがテロリズムであり、我々の息子たちを殺す者を殺すことがテロリズムであるならば、歴史が我々をテロリストと証言するがよい」

- 1957年3月10日~2011年5月2日(54歳没)
- サウジアラビア出身
- イスラム過激派指導者、テロ組織アルカーイダの創設者・指導者
英文
”If inciting people to do that is terrorism, and if killing those who kill our sons is terrorism, then let history be witness that we are terrorists.”
日本語訳
「もし人々をそれに駆り立てることがテロリズムであり、我々の息子たちを殺す者を殺すことがテロリズムであるならば、歴史が我々をテロリストと証言するがよい」
解説
この言葉は、「テロリズム」という言葉の定義を逆手にとり、自己の行為を正当化する危険な論理である。本来非難されるべき暴力行為を「報復」や「防衛」にすり替え、レッテルを自ら引き受けることで正当性を主張している。このような修辞は、暴力に道徳的根拠を与えるかのように見せ、人々を過激思想に引き込む効果を持つ。
歴史的には、ビン・ラーディンはアメリカの軍事行動や経済制裁を「息子たちを殺す行為」と捉え、それに対する報復を義務とした。ここでの危険は、「暴力には暴力で対抗せざるを得ない」という二元論に陥り、対話や非暴力的解決を排除してしまう点にある。彼は「歴史が証言する」という表現を用いることで、行為を個人的なものではなく普遍的な運動に見せかけている。
現代において、この発言は過激思想が言葉の定義を操作して暴力を正当化する危険性を警告するものとして捉えるべきである。もし「正義」を名目に無差別の暴力が許されれば、社会は憎悪の連鎖に陥る。したがって、この言葉は「言葉を利用して暴力を美化することの危うさ」を示す内容であり、テロリズムに対抗するには言葉と定義の正確さを守ることが不可欠である。
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