「すべてのムスリムは、その心に区別を悟った瞬間から、アメリカ人を憎み、ユダヤ人を憎み、キリスト教徒を憎む。私の記憶する限り、私は苦悩と戦いの中にあり、アメリカ人への憎悪と敵意を抱いてきた」

オサマ・ビンラディン(画像はイメージです)
ウサーマ・ビン・ラーディン(画像はイメージです)
  • 1957年3月10日~2011年5月2日(54歳没)
  • サウジアラビア出身
  • イスラム過激派指導者、テロ組織アルカーイダの創設者・指導者

英文

”Every Muslim, from the moment they realize the distinction in their hearts, hates Americans, hates Jews and hates Christians. For as long as I can remember, I have felt tormented and at war, and have felt hatred and animosity for Americans.”

日本語訳

「すべてのムスリムは、その心に区別を悟った瞬間から、アメリカ人を憎み、ユダヤ人を憎み、キリスト教徒を憎む。私の記憶する限り、私は苦悩と戦いの中にあり、アメリカ人への憎悪と敵意を抱いてきた」

解説

この言葉は、憎悪を宗教的アイデンティティと結びつける過激思想の危険性を示している。本来、イスラームは信仰の多様性や共存の思想を内包しているが、ここではそれを歪め、特定の集団全体を「憎むべき存在」とする普遍的な敵対構造を作り上げている。こうした言説は、個々の人間の尊厳を無視し、対立を固定化させる要因となる。

歴史的背景としては、冷戦後の中東における政治的混乱やアメリカの軍事介入、パレスチナ問題などが根底にある。ビン・ラーディンはその文脈を利用し、自らの個人的な憎悪を「すべてのムスリムの感情」として一般化した。ここにある危険は、個人の怒りを宗教共同体全体の義務に転化する点であり、結果として暴力的な集団行動を正当化する道具となった。

現代において、この発言は宗教や民族を一括して敵視する危険性を警告するものである。もし憎悪がアイデンティティの中核とされれば、共存や対話は不可能となり、終わりなき対立を生む。したがって、この言葉は「憎悪を信仰や共同体意識と結びつけることの恐ろしさ」を示しており、むしろ宗教や文化の違いを尊重する姿勢が平和の基盤であることを強調している。

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