「盗みを働くために他国へ入る泥棒や犯罪者、強盗は、いつでも殺される危険にさらされることを覚悟すべきである。アメリカ軍が私個人からの行動のみを予想するのは極めて狭い認識を示す。何億ものムスリムが怒っている。アメリカ人は、自らが加える不正義に比例した反応をイスラーム世界から受けることを覚悟すべきである」

オサマ・ビンラディン(画像はイメージです)
ウサーマ・ビン・ラーディン(画像はイメージです)
  • 1957年3月10日~2011年5月2日(54歳没)
  • サウジアラビア出身
  • イスラム過激派指導者、テロ組織アルカーイダの創設者・指導者

英文

”Any thief or criminal or robber who enters another country in order to steal should expect to be exposed to murder at any time. For the American forces to expect anything from me personally reflects a very narrow perception. Thousands of millions of Muslims are angry. The Americans should expect reactions from the Muslim world that are proportionate to the injustice they inflict.”

日本語訳

「盗みを働くために他国へ入る泥棒や犯罪者、強盗は、いつでも殺される危険にさらされることを覚悟すべきである。アメリカ軍が私個人からの行動のみを予想するのは極めて狭い認識を示す。何億ものムスリムが怒っている。アメリカ人は、自らが加える不正義に比例した反応をイスラーム世界から受けることを覚悟すべきである」

解説

この言葉は、暴力を正当防衛や報復の論理で正当化する過激思想の典型である。発言ではアメリカ軍を「泥棒」や「強盗」に例え、彼らの存在そのものが殺害の対象となり得ると主張している。また責任を個人ではなく「何億ものムスリム」という集合に拡大し、対立を普遍的かつ無差別なものへと転化している。

時代背景としては、湾岸戦争やアメリカ軍の中東駐留、パレスチナ問題などが影響している。ビン・ラーディンは、これらを「イスラーム世界への不正義」と解釈し、宗教的共同体の怒りを代弁する立場を強調した。ここでの危険性は、現実の政治・軍事行為への批判を超えて、暴力的報復を正当化する枠組みに結びつけている点である。

現代への警句として、この言葉は過激思想がいかにして集団的怒りを利用し、暴力を不可避な選択肢に見せかけるかを示している。国際的な不満や不正義は確かに存在するが、それを暴力に直結させれば憎悪の連鎖を生むのみである。したがって、この発言は「正義を求める手段を誤ることの危険性」を教えるものであり、暴力ではなく外交・対話・協力による解決の必要性を強く示す警句である。

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