「アメリカ人とユダヤ人に向けられたあらゆる努力は、神の御心によって直接的かつ肯定的な結果をもたらす。単なる他の活動に労力を費やすよりも、アメリカ兵一人を殺すほうがはるかに良い」

- 1957年3月10日~2011年5月2日(54歳没)
- サウジアラビア出身
- イスラム過激派指導者、テロ組織アルカーイダの創設者・指導者
英文
”Any effort directed against America and the Jews yields positive and direct results, Allah willing. It is far better for anyone to kill a single American soldier than to squander his efforts on other activities.”
日本語訳
「アメリカ人とユダヤ人に向けられたあらゆる努力は、神の御心によって直接的かつ肯定的な結果をもたらす。単なる他の活動に労力を費やすよりも、アメリカ兵一人を殺すほうがはるかに良い」
解説
この言葉は、特定の民族や国家を敵視し、暴力を唯一の有効な手段とする過激思想の危険性を如実に示している。対象を「アメリカ人」や「ユダヤ人」といった全体に拡大することで、敵対心を無差別に広げ、個人の尊厳を否定する構造を持つ。ここでは、教育や社会活動などの建設的な行為を軽視し、殺害行為を最優先するという歪んだ価値観が強調されている。
時代背景としては、冷戦後の中東情勢やアメリカの軍事介入が存在する。ビン・ラーディンはこれを利用して「宗教的義務」の名目で支持を集め、アメリカやユダヤ人を象徴的な敵と位置付けた。こうした言説は、複雑な政治・経済問題を単純化し、暴力を神聖視するレトリックとして機能したため、多くの若者を過激化へと導いた。
現代において、このような思想は社会を破壊する危険な誘惑として理解されるべきである。具体的な問題解決の努力を「無駄」とし、暴力だけを称揚する発想は、終わりなき憎悪の連鎖を生む。テロや戦争の悲劇を繰り返さないためには、このような言葉を反面教師とし、対話や協調、非暴力的手段の価値を強調する必要がある。したがって、この名言は過激思想の破壊力を警告する象徴的な例である。
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