「私は常に、自分の作品は未完成であるべきだと信じてきました。その意味は、人々が自分の創造性を概念的にも物理的にもそこに加えることを促すためです。1960年代には『Unfinished Music』のナンバー1やナンバー2と名付けて発表し、また自分の美術作品においても未完成のままギャラリーに持ち込んでいました。私はそのように作品を捉えていたのです」

- 1933年2月18日~
- 日本出身(後にアメリカ合衆国に帰化)
- 前衛芸術家、音楽家、平和活動家、「ジョン・レノンの妻」
英文
”I always believed that my work should be unfinished in the sense that I encourage people to add their creativity to it, either conceptually or physically. Back in the 1960s, I was calling for ‘Unfinished Music,’ number one, and number two, with my artwork – I was taking unfinished work into the gallery. And that’s how I was looking at it.”
日本語訳
「私は常に、自分の作品は未完成であるべきだと信じてきました。その意味は、人々が自分の創造性を概念的にも物理的にもそこに加えることを促すためです。1960年代には『Unfinished Music』のナンバー1やナンバー2と名付けて発表し、また自分の美術作品においても未完成のままギャラリーに持ち込んでいました。私はそのように作品を捉えていたのです」
解説
この言葉は、オノ・ヨーコの芸術観を端的に示している。彼女は作品を完成した「固定的なもの」とは捉えず、観客の参加や関与によって初めて完成へと近づく「開かれたもの」として位置づけた。未完成であることは欠陥ではなく、むしろ他者の想像力を誘発する仕掛けなのである。
1960年代、オノ・ヨーコは前衛的な芸術活動の中で「Unfinished Music」と題する実験的作品を発表した。これはジョン・レノンとの活動にもつながり、既成の音楽や芸術の枠組みを超えた挑戦であった。またギャラリーに未完成の作品を持ち込み、観客に委ねることで、芸術を作り手と受け手の共同作業へと変えた点は革新的である。
現代においても、この考えは多くの影響を与えている。インタラクティブアートや参加型の作品は、まさに観客の創造性を取り込む形で発展している。オノ・ヨーコの言葉は、芸術が完成品ではなく「プロセス」であり、共有される体験であることを教えているのである。
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