「私について悪い記事が書かれるのは、報道が私を泣いている犬のように描いても、ほとんどの人が異議を唱えないと知っているからです」

オノ・ヨーコ
オノ・ヨーコ
  • 1933年2月18日~
  • 日本出身(後にアメリカ合衆国に帰化)
  • 前衛芸術家、音楽家、平和活動家、「ジョン・レノンの妻」

英文

”Bad stories are written about me because the press knows they can make me into a weeping dog and few people will object.”

日本語訳

「私について悪い記事が書かれるのは、報道が私を泣いている犬のように描いても、ほとんどの人が異議を唱えないと知っているからです」

解説

この言葉は、オノ・ヨーコがメディアの偏向報道に苦しめられてきた経験を示している。彼女はビートルズ解散の責任を一方的に押し付けられたり、奇抜な芸術活動のために誤解を受けたりと、しばしば大衆のスケープゴートにされた。ここで語られる「泣いている犬」とは、同情される存在でありながらも軽蔑や侮蔑の対象にされやすい立場を象徴している。

1960〜70年代の彼女は、女性でありアジア人であり、かつ前衛芸術家であったために、当時の西洋社会において複合的な偏見を受けやすかった。報道機関はそれを利用し、彼女を「感情的で不安定な人物」として描くことで、販売部数や話題性を得ていたのである。つまりメディアの利益構造が、彼女に対する不公平なイメージ形成を助長したと言える。

現代においても、SNSやネットニュースは個人を過剰に消費し、一面的なイメージで広める傾向がある。この発言は、報道の倫理や情報の受け手側の批判的姿勢の必要性を訴えている。読者が鵜呑みにせず、情報を吟味し声を上げる責任を果たすとき、ようやく「泣いている犬」にされる人々を守る力となるのである。

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