「国家が人を登用するにあたり、その者の意見には注意を払わない。ただ忠実に仕えようとする意思があれば、それで十分である」

- 1599年4月25日~1658年9月3日
- イングランド出身
- 軍人、政治家、清教徒革命の指導者、イングランド共和国の護国卿
英文
“The State, in choosing men to serve it, takes no notice of their opinions. If they be willing faithfully to serve it, that satisfies.”
日本語訳
「国家が人を登用するにあたり、その者の意見には注意を払わない。ただ忠実に仕えようとする意思があれば、それで十分である」
解説
この言葉は、国家の運営において重要なのは忠誠心と誠実な奉仕の意思であり、個々の思想や意見ではないという現実主義的な立場を示している。忠実な行動こそが国家への貢献であり、多様な思想を排除する必要はないという姿勢は、一見すると寛容にも映るが、同時に統治における機能性と実用主義を重んじた態度である。
クロムウェルは、内戦後の混乱の中で国家を統治する立場に立ち、多様な宗派や思想の人間を扱わなければならなかった。そのため、信仰の差異や政治的立場を理由に有能な人材を退けることはせず、国家に忠誠を誓う限り登用するという柔軟な実利主義を採った。この言葉には、理念より行動、思想より結果を重視するクロムウェルの統治哲学が現れている。
現代社会においても、多様性と忠誠のバランスは組織や国家運営における重要な課題である。思想信条の違いを理由に排除せず、共通の目的に向かって協力できるかどうかを基準とする姿勢は、民主主義や多文化共生にも通じる。クロムウェルのこの言葉は、統一と多様性を両立させるための実践的視点として今なお示唆に富んでいる。
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