「必要には法がない」

- 1599年4月25日~1658年9月3日
- イングランド出身
- 軍人、政治家、清教徒革命の指導者、イングランド共和国の護国卿
英文
“Necessity has no law.”
日本語訳
「必要には法がない」
解説
この言葉は、極限の状況下では通常の法や倫理は通用しないという現実主義的な認識を表している。すなわち、生存や重大な目的の達成がかかるとき、人は法を超えて行動する正当性を持つとされる。これは正義や道徳の限界を示すと同時に、行動の緊急性や必然性を際立たせる表現である。
オリバー・クロムウェルがこのような考えを語ったとされる背景には、イングランド内戦や王政の打倒、護国卿としての非常時対応があった。彼は国家の秩序を守るために、通常の法手続きを逸脱してでも行動する必要があると信じていた。この思想は、王の処刑や議会の武力解散といった非常手段を正当化する論理の一部であった。
現代でもこの言葉は、緊急事態における国家の越権行為や、個人のサバイバル行動を考える際に引用されることがある。しかしそれは同時に、法の支配の危うさや、必要と称して行われる独裁の危険性もはらんでいる。この短い名言は、正義と必要の境界線を問う鋭い問いかけである。
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