「キリストの御心にかけて懇願する。あなたが誤っている可能性を、どうか考えてみてほしい」

- 1599年4月25日~1658年9月3日
- イングランド出身
- 軍人、政治家、清教徒革命の指導者、イングランド共和国の護国卿
英文
“I beseech you, in the bowels of Christ, think it possible you may be mistaken.”
日本語訳
「キリストの御心にかけて懇願する。あなたが誤っている可能性を、どうか考えてみてほしい」
解説
この名言は、強い宗教的訴えと深い謙虚さが同居する稀有な表現である。クロムウェルはここで、相手に対して理屈や権威ではなく、信仰と良心に訴えるかたちで自己の誤りを省みるよう促している。特に「the bowels of Christ(キリストのはらわた)」という古風な表現は、キリストの内なる慈愛と共感を象徴しており、心の奥底からの誠実な願いであることを意味する。
この発言は1643年、イングランド内戦中の長老派との論争の際に記された書簡の中にある。クロムウェルは、自らの立場に確信を持ちながらも、相手に対して謙虚さを忘れず、信仰に基づいた対話を求めた。これは自信と寛容を両立させる姿勢の表れであり、敵対者にも真摯に耳を傾けるべきであるという思想が込められている。
現代においてこの名言は、確信を持つ者こそ自らの誤りの可能性を考慮せよという普遍的な教訓として生きている。政治的対立、宗教的意見、科学的主張など、あらゆる分野で極論が生まれやすい現代において、他者の立場を尊重しつつ自省する態度を忘れないことの重要性を、静かにしかし力強く訴える言葉である。
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