「信長の時代になってから三十年間仕えてきた中で、佐久間右衛門が比類ない働きをしたと評判になったことは、一度たりともなかった」

- 1534年6月23日~1582年6月21日
- 日本(戦国時代・尾張国)出身
- 武将、戦国大名、政治改革者
原文
「信長代になり、三十年奉公を遂げたるの内に、佐久間右衛門、比類なき働きと申し鳴らし候儀、一度もこれあるまじき事」
現代語訳
「信長の時代になってから三十年間仕えてきた中で、佐久間右衛門が比類ない働きをしたと評判になったことは、一度たりともなかった」
解説
この言葉は、織田信長が家臣である佐久間信盛(右衛門)に対して厳しい評価を下したものである。三十年という長い奉公にもかかわらず、目立った功績がなかったことを痛烈に指摘しており、信長の功績主義、実績重視の考え方が如実に現れている。信長は、忠誠や年功だけではなく、具体的な成果を重んじた統治者であり、身内や古参であっても容赦しなかった。
戦国時代は実力がすべてを決める時代であり、信長の苛烈な評価基準は、常に結果を求める時代背景と密接に結びついていた。この発言の後、佐久間信盛は事実上追放されることとなり、信長政権における無情な人事刷新の象徴となった。信長の非情さは恐れられると同時に、その強大な権力基盤を支える要因でもあった。
現代においても、この言葉は成果を求める厳しい社会や組織の在り方を映し出している。たとえば、企業においては長年の勤務年数ではなく、いかに組織に貢献したかが評価の対象となることがある。信長のこの冷徹な判断は、組織の競争力を保つために時に必要となる厳しさを、今に伝えているのである。
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