「若き男がイングランドを治めるために生まれ、死にゆく父がそれを彼に託す。父が死ぬと、ロンドンは難癖をつけ、王国は息子から取り上げられる」

- 1503年12月14日~1566年7月2日(62歳没)
- フランス出身
- 医師、占星術師、詩人
英文
”The young man, born to rule England, which his dying father commended to him. Once his father is dead, London will cavil. The kingdom is taken back from his son.”
日本語訳
「若き男がイングランドを治めるために生まれ、死にゆく父がそれを彼に託す。父が死ぬと、ロンドンは難癖をつけ、王国は息子から取り上げられる」
解説
この句はイングランド王位継承の不安定さを示唆する予言文である。父から王権を託された若き後継者が、父の死後に正当に即位できず、ロンドンの反発によって王国を失うと記されている。ここには16世紀ヨーロッパにおいて頻発した王位継承争いや内乱の影が映し出されている。
歴史的背景を踏まえると、この予言はしばしばチューダー朝の王位継承問題と結び付けられる。例えば、エドワード6世の早世や、メアリー1世・エリザベス1世の即位に伴う宗教的・政治的混乱が想起される。また、ノストラダムスの同時代人は、王位継承をめぐる陰謀と不安定さに強い関心を抱いていたため、このような表現は読者の恐怖と想像を刺激した。
現代においては、この句を具体的な歴史的事件に当てはめることは難しい。しかし、「父から子へと権力が移譲される際に起こる混乱」というテーマは普遍的であり、世襲的支配が必ずしも安定を保証しないことを示す警句として受け止められる。この不確実性は、過去だけでなく現代の政治権力の移行にも当てはまる洞察である。
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