「ハンニバルの地獄の神々によって甦らされる者が人類の恐怖となる。過去においてもこれ以上の恐怖も惨禍もなかったほどの苦難が、バベルを通してローマ人に訪れるであろう」

ノストラダムス(画像はイメージです)
ノストラダムス(画像はイメージです)
  • 1503年12月14日~1566年7月2日(62歳没)
  • フランス出身
  • 医師、占星術師、詩人

英文

”One whom the infernal gods of Hannibal will cause to be reborn, terror of mankind; never more horror nor worse days in the past than will come to the Romans through Babel.”

日本語訳

「ハンニバルの地獄の神々によって甦らされる者が人類の恐怖となる。過去においてもこれ以上の恐怖も惨禍もなかったほどの苦難が、バベルを通してローマ人に訪れるであろう」

解説

この句は、古代の記憶を呼び起こした破滅的予言である。「ハンニバルの地獄の神々」とは、第二次ポエニ戦争でローマに大打撃を与えたカルタゴの将軍ハンニバルを暗示している。彼はローマにとって最大の脅威の一人であり、その「再生」とは過去の敵の再来、すなわち古代に匹敵する強大な敵の出現を意味している。

「ローマ人に訪れる」とは、単なる都市ローマではなく、西洋文明やキリスト教世界全体を象徴している場合が多い。「バベルを通して」という表現は、旧約聖書のバベルの塔の物語を想起させ、混乱、言語の分裂、文明的崩壊を意味する。つまり、外敵の襲来だけでなく、内部の分裂や混乱が悲劇を増幅することを示唆している。

現代的に読むならば、この句は文明の衝突や混乱による未曾有の危機を寓話的に描いているといえる。外部の脅威が復活するだけでなく、内部の分裂(宗教対立や民族衝突)が重なって悲劇を引き起こすという構図は、歴史的にも現代の国際関係にも通じる。ノストラダムスは寓意的に、人類最大の恐怖は外敵そのものよりも、それが文明の混乱と結びついたときに現れることを示しているのである。

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