「世の中の人々は、今日飲む酒がなければ借金してまで飲み、今日食べる米がなければまた借りて食べる。これが貧しく困窮する原因である」

二宮尊徳(画像はイメージです)
二宮尊徳(画像はイメージです)
  • 1787年9月4日~1856年11月17日
  • 日本出身
  • 経世論、農政家、思想家、実践的儒学者

原文

「世の人、今日飲む酒無き時は借りて飲み、今日食ふ米なき時は又借りて食ふ。是れ貧窮すべき原因なり」

現代語訳

「世の中の人々は、今日飲む酒がなければ借金してまで飲み、今日食べる米がなければまた借りて食べる。これが貧しく困窮する原因である」

解説

この名言は、その日暮らしの浪費と借金体質が、貧困を招く根本原因であるという厳しい指摘である。二宮尊徳は、倹約・勤労・積立の精神を徹底して説いた実践的思想家であり、目先の快楽や必要に負けて無計画に借金を重ねる行為を、将来的破滅の前兆と断じている。特に「酒」「米」といった、生活における楽しみや必需品すらも借りてまで手に入れることの危うさを具体的に示している点に、尊徳の現実主義が現れている。

この言葉の背景には、江戸時代後期の農民や庶民が飢饉や税に苦しみながらも浪費や贅沢をやめられなかった実情がある。尊徳はこうした現実に対し、「足るを知る心」「未来を見据えた倹約の実行」を説き、財を蓄えるにはまず支出を抑えることが肝要であると教えた。そのため、目の前の欠乏を借金でしのぐのではなく、日頃から備えることが、真に貧窮を避ける道であると主張している。

現代においても、クレジットカードやローンの安易な利用が、個人の財政を圧迫する要因となり得る。例えば「ボーナス払いだから大丈夫」と安易に高価な買い物をしたり、「明日どうにかなるだろう」と借金に頼る生き方は、まさにこの名言が警告する行動である。尊徳のこの言葉は、短期的満足のために将来を犠牲にすることの危険性を今なお鋭く突いており、自立した生活には、日々の節制と計画性が不可欠であることを教えているのである。

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