「NASAは、生徒たちに努力し、自分の可能性を最大限に発揮させるための動機付けを行うという点で、最も成功した公共投資の一つであった。だが今、私たちはその計画を、若者に与える刺激と意欲を減らしてしまう方向へと転換しつつある。それは悲しいことだ」
- 1930年8月5日～2012年8月25日
- アメリカ合衆国出身
- 宇宙飛行士、航空技術者、海軍パイロット、大学教授
- アポロ11号の船長として人類初の月面着陸を果たし、「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」の言葉と共に歴史に名を刻んだ。20世紀の宇宙探査の象徴的人物である。
英文
”NASA has been one of the most successful public investments in motivating students to do well and achieve all they can achieve. It’s sad that we are turning the programme in a direction where it will reduce the amount of motivation and stimulation it provides to young people.”
日本語訳
「NASAは、生徒たちに努力し、自分の可能性を最大限に発揮させるための動機付けを行うという点で、最も成功した公共投資の一つであった。だが今、私たちはその計画を、若者に与える刺激と意欲を減らしてしまう方向へと転換しつつある。それは悲しいことだ」
解説
この言葉は、NASAの教育的・社会的意義に対するニール・アームストロングの強い信念と、宇宙計画の方向性に対する懸念を表明したものである。アームストロングは、宇宙開発が単なる科学技術の進歩にとどまらず、若者たちに夢や目標を与え、自分の限界を越えようとする意志を喚起する存在であると考えていた。NASAが果たしてきた「刺激の源」としての役割は、単なる予算や技術では測れない価値を持つ。
この発言がなされた背景には、2010年代におけるNASA予算の見直しや有人探査計画の縮小、民間委託の増加といった方針転換がある。アームストロングは、それらの変化が宇宙開発を国家の象徴的挑戦からビジネスの範囲に押し込め、若者の憧れや社会の長期的な科学的関心を損なうのではないかという危機感を持っていた。この言葉は、彼の教育的理想主義と科学技術に対する倫理的責任感を反映している。
現代において、科学離れや教育への関心低下が課題となる中で、この言葉は宇宙開発や科学政策が持つ「社会を動かす力」の重要性を再認識させる。若者に向けた夢と目標の提示がいかに未来の社会を形作るかを、アームストロングは静かに、しかし力強く訴えているのである。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか？
