「世紀末までには、私たちは実際に成し遂げた以上に遥かに多くのことを達成していると、私は完全に予想していた」

- 1930年8月5日~2012年8月25日
- アメリカ合衆国出身
- 宇宙飛行士、航空技術者、海軍パイロット、大学教授
- アポロ11号の船長として人類初の月面着陸を果たし、「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」の言葉と共に歴史に名を刻んだ。20世紀の宇宙探査の象徴的人物である。
英文
”I fully expected that, by the end of the century, we would have achieved substantially more than we actually did.”
日本語訳
「世紀末までには、私たちは実際に成し遂げた以上に遥かに多くのことを達成していると、私は完全に予想していた」
解説
この言葉は、ニール・アームストロングが宇宙開発の進展に対する期待と現実の間にあったギャップを率直に語ったものである。1969年に月面着陸を果たした当時、多くの科学者や一般市民は、21世紀を迎える頃には人類が火星に到達し、月面に恒久的な基地を築いているだろうといった、野心的な未来像を抱いていた。アームストロングの予想もまた、そうした希望に満ちた視点に基づいていた。
しかし実際には、冷戦の終結や予算の制約、政治的優先順位の変化によって、宇宙探査の進展は想像よりも緩やかなものとなった。アームストロングは、科学技術そのものの限界ではなく、社会的・政治的な選択が進歩を制約している現実に対して、静かな失望をにじませている。この言葉には、未来に対する理想を持ち続けた者ならではの、抑制された悔しさが感じられる。
この名言は、現代においても未来予測と現実との乖離、そして進歩に対する人類の姿勢を問い直す意味を持っている。進歩は技術だけでは成り立たず、それを支える社会的意志がなければ成就しないという教訓を、この一言は静かに伝えている。未来を語るには、希望とともに責任もまた必要であることを教えてくれる言葉である。
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