「青年は情の時代だ」

- 1867年2月9日~1916年12月9日(49歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、英文学者
原文
「青年は情の時代だ」
解説
この言葉は、青年期とは理性よりも感情が主導する時期であるという漱石の人間観を端的に表している。「情の時代」とは、喜びや悲しみ、恋愛、憧れ、怒りといった感情の動きが人生の中心にある時期を指す。漱石は、青年は経験や理性による抑制が未熟なため、感情の強さが行動や判断の原動力となると考えていた。
この背景には、漱石の教育者としての経験がある。明治期の日本では、青年層は新しい価値観や思想を熱心に吸収し、情熱的に行動する一方で、衝動的で未熟な判断を下すことも多かった。漱石は、その情熱を否定するのではなく、人生のある段階における自然な特質として理解していた。
現代においても、この言葉は変わらず当てはまる。青年期は人生の中でも感受性が最も高く、理屈よりも感情が先行しやすい。その情熱は創造性や挑戦心を生む原動力となる一方、冷静な判断力を欠く危険もある。漱石のこの言葉は、青年期の感情の力を認めつつ、それをどう活かすかが重要であるという示唆を与えている。
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