「金を作るにも三角術を使わなくちゃいけないと云うのさーー義理をかく、人情をかく、恥をかく是で三角になる」

- 1867年2月9日~1916年12月9日(49歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、英文学者
原文
「金を作るにも三角術を使わなくちゃいけないと云うのさーー義理をかく、人情をかく、恥をかく是で三角になる」
解説
この言葉は、金を得るためには道徳的・感情的な犠牲を払うことが多いという皮肉を込めた表現である。「三角術」という比喩は、幾何学の三角法をもじっており、ここでは義理を欠く・人情を欠く・恥を欠くという三つの「欠く」を組み合わせることで金儲けが成立するという意味に使われている。
義理を欠くとは、他人との約束や恩義を無視すること。人情を欠くとは、人間らしい思いやりや情を捨てること。恥を欠くとは、社会的評価や自身の道徳心を省みず、恥を恥とも思わない態度を指す。これらは本来、人として守るべき基準だが、金儲けの世界ではこれらを捨てることで手段を選ばぬ行動が可能になるという冷笑的な見方が表れている。
この皮肉は、現代でも通じる。倫理や人間関係を顧みずに金を追う姿勢は、一時的に成果を上げても長期的には信用を失う。発言の裏には、そうした行為が当たり前になってしまう社会への批判と、人間性を守ることの重要性が込められている。
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