「考える丈で誰が宗教心に近づける。宗教は考えるものじゃない、信じるものだ」

- 1867年2月9日~1916年12月9日(49歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、英文学者
原文
「考える丈で誰が宗教心に近づける。宗教は考えるものじゃない、信じるものだ」
解説
この言葉は、宗教の本質を「理性による理解」ではなく「信仰による受容」に置く立場を端的に示している。人間が宗教に近づくためには、論理的思考や知識の積み重ねだけでは不十分であり、心からの信じる姿勢が必要だという主張である。ここでいう「考える丈」とは、あくまで知的探求に留まることを指し、それは宗教心の核心に至らないと断じている。
背景には、宗教における理性と信仰の緊張関係がある。歴史的に、哲学者や神学者は神や教義を論理的に説明しようと試みてきたが、多くの宗教は「悟り」や「救い」が理性ではなく体験や信頼によって得られると説いてきた。この言葉は、その立場を明確に表している。
現代においても、科学や合理主義の発展に伴い宗教を「考える」対象とする傾向は強まっているが、この言葉はその姿勢に一石を投じる。宗教を本当に理解するには、疑いを超えた信じる行為こそが不可欠であるという、信仰者の根源的な感覚を象徴している。
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