「義務心を持っていない自由は本当の自由ではない」

- 1867年2月9日~1916年12月9日(49歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、英文学者
原文
「義務心を持っていない自由は本当の自由ではない」
解説
この言葉は、自由と義務の不可分な関係を強調している。自由とは単に好き勝手に行動できる状態ではなく、責任や義務を自覚した上で行使される権利であるという考え方である。義務を伴わない自由は、しばしば他者の権利を侵害し、社会秩序を壊す危険をはらむため、それは真の自由とは呼べない。
歴史的背景として、この発想は近代市民社会の成立と深く結びついている。啓蒙思想やフランス革命以降、「自由・平等・博愛」が掲げられたが、同時に市民は法の下での義務を負うことが前提とされた。自由と義務のバランスは、西洋の民主主義だけでなく、日本の近代化においても重要なテーマとなった。
現代社会でも、この言葉は大きな意味を持つ。例えば言論の自由は、事実に基づき、他者の名誉や安全を損なわない形で行使されるべきである。義務心を欠いた自由は放縦や無責任へと変質しやすく、結果として自由そのものを危うくする。このため、自由を守るためには、その裏側にある義務を理解し、自ら果たそうとする姿勢が不可欠である。
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