「禅は文句にあらず実地の修行なるべし。塵労の裡にあって常に塵労の為に転ぜらるるならば禅なきと一般ならん」

- 1867年2月9日~1916年12月9日(49歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、英文学者
原文
「禅は文句にあらず実地の修行なるべし。塵労の裡にあって常に塵労の為に転ぜらるるならば禅なきと一般ならん」
解説
この言葉は、禅は言葉や理論ではなく、実際の修行と実践によって体得されるべきものであるという主張である。「禅は文句にあらず」とは、経典の文言や議論に終始するのではなく、心身で経験し、生活の中で生かすことを意味する。
「塵労の裡にあって」とは、日常生活の煩雑な務めや苦労の中に身を置く状態を指す。もしその環境において「塵労の為に転ぜらるる」──すなわち、心が翻弄され流されてしまうならば、それは禅を修めていないのと同じであるという。
この思想は、真の修行は静かな座禅の場だけでなく、現実の苦労や試練の中でこそ試されるということを示す。現代社会でも、瞑想や自己啓発を学ぶだけで満足するのではなく、日常の忙しさや人間関係の中で平静と洞察を保つことこそが、禅的実践の核心であるといえる。
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