「皮を脱いで、肉を脱いで骨丈で涼みたいものだ」

- 1867年2月9日~1916年12月9日(49歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、英文学者
原文
「皮を脱いで、肉を脱いで骨丈で涼みたいものだ」
解説
この言葉は、肉体的・精神的な重荷からの解放願望を強烈な比喩で表したものである。皮や肉を脱ぎ捨てて骨だけになるという発想は、単なる暑さや身体的な窮屈さから逃れたいという感覚を超え、存在そのものを軽くしたい衝動を象徴している。骨だけになれば、暑さも感情も煩悩もなく、極めて静かな状態に至るというイメージである。
背景には、人間が日常的に抱える疲労や煩わしさへの嫌悪がある。皮や肉は、人間関係や社会的役割、欲望や感情といった「生きる上で避けられないもの」の象徴とも捉えられる。それらを剥ぎ取った先にある骨は、純粋な自分の核や、変わらぬ存在の本質を示しているとも解釈できる。
現代においても、過剰な情報や責務に疲れ、「何もかも脱ぎ捨てて楽になりたい」という心境は多くの人が共感し得る。この言葉は、そんな極端なまでの解放欲求を、短くも鮮烈なイメージで表現したものである。
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