「海鼠を食い出した人は余程勇気と胆力を有して居る人でなくてはならぬ」

- 1867年2月9日~1916年12月9日(49歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、英文学者
原文
「海鼠を食い出した人は余程勇気と胆力を有して居る人でなくてはならぬ」
解説
この言葉は、初めて未知で奇異なものを口にする行為には、大きな勇気と胆力が必要であるという比喩的な観察を述べている。海鼠(ナマコ)は独特の見た目や食感を持ち、多くの人にとっては最初に食べる際に心理的な抵抗が伴う。そのため、最初にそれを食べた人物は、物怖じしない大胆さと行動力を備えていたに違いないというのである。
漱石の時代、日本ではナマコは珍味として親しまれていたが、その形状や食感から好みが分かれる食材でもあった。漱石はこれを例に、人が新しいことや未知の領域に挑む際の心理的ハードルをユーモラスに描き出している。この表現は単なる食の話にとどまらず、新しい文化や技術を受け入れる際の人間の慎重さや恐れをも象徴している。
現代においても、この考えは未知の食材や文化への挑戦、さらには革新的なアイデアの採用にも当てはまる。最初に新しいものを試す人は、周囲からの疑念や批判を受けながらも、それを押し切る度胸を持つ必要がある。漱石のこの言葉は、革新の第一歩を踏み出す者の勇気をユーモラスに讃えるものである。
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