「汽車の見える所は現実世界と云う。汽車程二十世紀の文明を代表するものはあるまい」

夏目漱石(画像はイメージです)
夏目漱石(画像はイメージです)
  • 1867年2月9日~1916年12月9日(49歳没)
  • 日本出身
  • 小説家、評論家、英文学者

原文

「汽車の見える所は現実世界と云う。汽車程二十世紀の文明を代表するものはあるまい」

出典

出典不詳(編集中)

解説

この言葉は、鉄道が二十世紀文明の象徴であった時代感覚を端的に表している。「汽車の見える所」を「現実世界」と呼ぶのは、汽車が日常生活の中で最も具体的かつ目に見える近代文明の証であったからである。動力と速度を備えた鉄道は、人々の距離感や時間感覚を大きく変え、都市と地方、産業と市場を結びつけた。

歴史的に見れば、十九世紀末から二十世紀初頭にかけて、鉄道網は産業革命の成果として世界各地に広がり、近代化の象徴として人々の意識に深く刻まれた。特に当時の日本において、鉄道は西洋化と文明開化の象徴であり、田園風景の中を走る汽車は「文明が地方へ届いた証」とも受け取られた。

現代では鉄道に代わって航空機やインターネットが文明の象徴とされることも多いが、この言葉は、時代ごとの技術がその時代の「現実世界」を形作るという普遍的な視点を示している。汽車は単なる交通手段ではなく、二十世紀人の世界観を決定づけた存在だったのである。

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