「斯う西洋の圧迫を受けている国民は、頭に余裕がないから、碌な仕事は出来ない」

- 1867年2月9日~1916年12月9日(49歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、英文学者
原文
「斯う西洋の圧迫を受けている国民は、頭に余裕がないから、碌な仕事は出来ない」
解説
この言葉は、外部から強い圧力や干渉を受けている国民は、精神的な余裕を失い、本来の能力を発揮できないという指摘である。「西洋の圧迫」とは、当時の日本が経験していた列強諸国からの経済的・軍事的・文化的な干渉や競争を指す。明治から大正期にかけて、日本は近代化のために西洋文明を急速に取り入れたが、その背景には不平等条約や国際的緊張があった。
ここでいう「頭に余裕がない」とは、国全体が外的脅威や対抗意識に追われ、長期的な視野や創造的な発想を持つことが難しい状態を意味する。その結果、目先の対応に終始し、文化的・技術的に大きな成果を出すことが難しくなると述べている。
現代にも通じる点として、企業や国家が外圧や競争に過度に追われると、本来必要な改革や創造的挑戦が後回しになる傾向がある。国民や組織が高い成果を上げるには、外的要因に振り回されない安定した環境と精神的余裕が不可欠だという教訓を含んでいる。
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