「我々文芸家は、取りも直さず、高等芸人である」

- 1867年2月9日~1916年12月9日(49歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、英文学者
原文
「我々文芸家は、取りも直さず、高等芸人である」
解説
この言葉は、文芸家の本質を「芸人」として捉える自己認識を示している。ここでいう「芸人」は現代の意味での軽い娯楽提供者ではなく、観衆の前で芸を披露し、人々の感情や想像力に働きかける存在を指す。「高等」という形容は、その芸が単なる娯楽にとどまらず、人間精神や社会に深い影響を与える格の高いものであることを強調している。
歴史的に見れば、文芸家はしばしば哲学者や批評家、時に社会改革者としても活動してきた。しかしその活動は、最終的には言葉や表現という「芸」によって人を魅了し、納得させる行為である。この意味で、文芸家は論理の人であると同時に表現の職人であり、観衆を意識したパフォーマーでもある。
現代社会でも、作家や詩人は言葉を通じて人々の感情に直接働きかける「舞台」に立っている。芸術性と社会性の両面を持つ「高等芸人」としての自覚は、作品の表現力と影響力を高める原動力となる。この言葉は、文芸を自己表現と同時に観衆への奉仕と捉える視点を示している。
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