「我々は他が自己の幸福のために、己れの個性を勝手に発展するのを、相当の理由なくして妨害してはならない」

- 1867年2月9日~1916年12月9日(49歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、英文学者
原文
「我々は他が自己の幸福のために、己れの個性を勝手に発展するのを、相当の理由なくして妨害してはならない」
解説
この言葉は、個人の幸福と個性の尊重という近代的自由の原則を端的に述べたものである。人が自らの幸福を追求する過程で、自分の個性を伸ばしていくことは自然な権利であり、それを正当な理由なしに妨げるべきではない、という思想が根底にある。
歴史的には、こうした考えは西洋のリベラリズムやジョン・スチュアート・ミルの自由論に通じる。近代社会では、権威や慣習による一方的な制限が個性や才能の芽を摘むことが多く、それが社会全体の活力を削ぐ原因にもなった。個人の自由な発展は、本人だけでなく社会全体の多様性と進歩を支えるという発想が背景にある。
現代でも、この理念は教育・職場・人間関係のあらゆる場で重要である。他者の幸福追求や自己実現を妨げない態度は、健全な社会の土台となる。ただし、「相当の理由」がある場合――たとえば他者の権利侵害や公共の安全を脅かす行為――には制限が正当化される。この言葉は、自由と制約のバランスを意識する重要性を教えている。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
「夏目漱石」の前後の名言へ
申し込む
0 Comments
最も古い