「学問は金に遠ざかる器械である」

- 1867年2月9日~1916年12月9日(49歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、英文学者
原文
「学問は金に遠ざかる器械である」
解説
この言葉は、学問を深めるほど金銭的利益からは遠ざかる傾向があるという皮肉を含んだ指摘である。「器械」という表現は、学問そのものが働く原理や仕組みを持つという比喩であり、その働きが「金に遠ざかる」方向に作用するという意味を示している。
背景として、この発想は明治から大正期の知識人社会に見られた現実感覚に基づく。学問の探求は、商売や投機といった直接的利益追求とは性質が異なり、むしろ時間や労力、資源を費やしても金銭的には報われにくい場合が多い。当時の日本でも、学問を職業として成り立たせられるのはごく一部の大学教授や研究者に限られ、他の多くは生計面で苦労を強いられていた。
現代にも通じる部分があり、純粋研究や人文学のように金銭的収益化が難しい領域では、依然としてこの構図が残っている。一方で、この言葉は学問の価値を否定するものではなく、学問は金銭ではなく知的満足や精神的価値をもたらすものだという逆説的な再評価にもつながる。
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