「利害の念は人情の土台の上に、後から被せた景気の皮である」

- 1867年2月9日~1916年12月9日(49歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、英文学者
原文
「利害の念は人情の土台の上に、後から被せた景気の皮である」
解説
この言葉は、人間の本質的な感情と、その上に形成される損得勘定の関係を示している。「人情の土台」とは、喜び・悲しみ・愛情・憐れみなど、人間が本来持つ自然な感情を指す。一方で「利害の念」は、利益や損失を基準に物事を判断する打算的な心であり、それは後天的に身につく表層的なものだと説く。
「景気の皮」という表現は、利害の念が本質ではなく外から覆いかぶさった装飾や仮面のようなものであることを強調している。人は成長する過程や社会との関わりの中で、損得を考える習慣を身につけるが、その下には変わらぬ人情があるという見方である。
現代でも、経済活動や人間関係の多くは利害によって動くが、人間の根底には情や思いやりといった非打算的な感情がある。この言葉は、利害に囚われすぎると本来の人間らしさを見失うことを戒めつつ、損得よりも感情の土台を見極める重要性を教えている。
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