「休養は万物の旻天から要求して然るべき権利である」

- 1867年2月9日~1916年12月9日(49歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、英文学者
原文
「休養は万物の旻天から要求して然るべき権利である」
解説
この言葉は、休養は生きとし生けるものすべてに与えられるべき基本的な権利であると述べている。「旻天(びんてん)」とは高く澄んだ秋の空を意味するが、ここでは天の摂理や自然の道理を指しており、人間の営みや自然界の在り方の根源的な法則を象徴している。つまり、休養は単なる贅沢や嗜好ではなく、天地自然から認められた当然の権利だという主張である。
歴史的に見ると、この発想は産業革命後の労働環境改善運動や労働者の権利獲得運動と通じる。19世紀から20世紀初頭にかけて、長時間労働や過酷な環境が健康や生活を蝕む現実が広く問題となり、休日や労働時間の制限が人間らしい生活のために必要不可欠と認識されるようになった。
現代においても、この言葉は大きな意味を持つ。過労やメンタル不調が社会問題化する中、休養は心身の健康を守り、長期的な生産性や創造力を維持するために不可欠である。休むことは怠惰ではなく、生命活動の自然な循環の一部であり、誰もが正当に求めることのできる権利であるという視点が、この言葉には込められている。
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