「付け上がるのは華族と金持ばかりだ」

- 1867年2月9日~1916年12月9日(49歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、英文学者
原文
「付け上がるのは華族と金持ばかりだ」
解説
この言葉は、地位や財力を背景に増長しやすいのは、特権階級や富裕層であるという辛辣な社会批評である。「付け上がる」とは、権力や財力を笠に着て横柄になることを指し、ここでは華族(明治期の貴族制度の構成員)と金持ちがその典型として挙げられている。
漱石の生きた明治期は、華族制度が存在し、政治や経済において彼らは依然として大きな影響力を持っていた。同時に、近代化と産業発展により新興の富裕層も台頭し、社会の中で優越感や特権意識をあらわにする場面が多く見られた。漱石はこうした現象を観察し、地位や財力が人の性格や振る舞いを変質させることを批判的に指摘している。
現代社会においても、この言葉は政治家や財界人が権勢を背景に傲慢な態度を取る事例にそのまま当てはまる。SNSやメディアによってこうした姿が可視化される機会が増え、漱石のこの短い一文は今なお強い説得力を持っている。
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