「世界は色の世界である。只此色を味わえば世界を味わったものである。世界の色は自己の成功につれて鮮やかに眼に映る」

- 1867年2月9日~1916年12月9日(49歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、英文学者
原文
「世界は色の世界である。只此色を味わえば世界を味わったものである。世界の色は自己の成功につれて鮮やかに眼に映る」
解説
この言葉は、世界を感覚的・象徴的に捉えた漱石の人生観を示している。ここでいう「色」は、単なる視覚的な色彩だけでなく、世界の多様な魅力や変化、人生の美的側面を象徴している。漱石は、世界の本質をこの「色」に凝縮し、それを味わうことこそが世界そのものを味わうことだと述べている。
また、後半では自己の成功が、この世界の色をより鮮やかに見せると指摘する。これは、人の心理状態や立場が世界の見え方に影響するという現実的な洞察である。成功や充実感があるときには、日常の景色や出来事がより美しく、価値あるものとして感じられるという経験則が反映されている。
現代的に解釈すれば、この言葉は「幸福感や自己実現は、世界の見え方を変えるフィルターのようなもの」という意味を持つ。逆に、挫折や不安が強いときには、世界の色はくすみ、味わいが失われる。漱石は、美しい世界を味わうためには、外界を変えるよりも、まず自己の内面と人生を充実させることが重要だと示唆している。
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