「世の中のありさまをあれこれご覧になるうちに、心が及ばず、たいそう知りたいことはありませんか」

紫式部の名言(画像はイメージです)
紫式部の名言(画像はイメージです)
  • 970-980年頃?~1014-1031年頃?(諸説あり)
  • 日本出身
  • 作家、歌人

原文

「世のありさまを見たまへ集むるままに、心におよばず、いとゆかしきこともなしや」

現代語訳

「世の中のありさまをあれこれご覧になるうちに、心が及ばず、たいそう知りたいことはありませんか」

解説

この言葉は、世の中の出来事を見聞きする中で、自分の理解を超えることに直面したときの知的好奇心を表している。「心におよばず」とは、思慮や知識では十分に捉えられない状態を意味し、「ゆかしきこと」は、知りたい・理解したいという強い欲求を指す。紫式部の時代は、学問や教養が高く評価される文化であり、未知への探求心は知識人の重要な資質とされた。この言葉には、そうした精神性がにじんでいる。

現代においても、この感覚は普遍的である。科学技術や社会の変化が激しい時代、私たちは日々、理解の及ばない新しい事象や概念に直面している。その中で、「なぜだろう」「もっと知りたい」という欲求を持つことは、成長と創造の出発点である。この名言は、学びや探求の姿勢を促し、現代の研究や教育にも通じる価値観を伝えている。

さらに、この言葉は謙虚さと知的探究の両立を示唆している。自分の理解の限界を認め、それを補うために知識を求めることは、真の教養の証である。紫式部のこの言葉は、情報過多で「知ったつもり」になりやすい現代において、謙虚に学び続ける姿勢の重要性を思い起こさせるのである。

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