「アメリカを最強の国にするのが俺の目標。だからロシア人を倒し、ポーランド人にも勝った。そしてアメリカのために金メダルを手にした。ギリシャ人たちは言った、『君は昔のカッシウスよりも偉大だ』と」

- 1942年1月17日~2016年6月3日
- アメリカ合衆国出身
- プロボクサー、社会運動家、人道主義者
- ヘビー級チャンピオンとして活躍し、「蝶のように舞い、蜂のように刺す」の名言で知られる。リング外でも公民権運動や反戦活動に関わり、スポーツと社会正義の両面で世界的な影響を与えた。
英文
”To make America the greatest is my goal, so I beat the Russian and I beat the Pole. And for the U.S.A. won the medal of gold. The Greeks said, ‘You’re better than the Cassius of old.’”
日本語訳
「アメリカを最強の国にするのが俺の目標。だからロシア人を倒し、ポーランド人にも勝った。そしてアメリカのために金メダルを手にした。ギリシャ人たちは言った、『君は昔のカッシウスよりも偉大だ』と」
解説
この言葉は、1960年ローマ五輪での金メダル獲得をモハメド・アリ(当時カシアス・クレイ)が詩の形式で誇らしげに語った一節であり、彼の愛国心と自己表現の才がよく表れている。韻を踏んだこのリズム感あふれる言葉は、アリが試合後のインタビューや公の場で即興的に語ったポエム・スタイルの言葉遊びとしても知られ、彼のパフォーマンスの一環として観客を魅了してきた。
アリはオリンピックでの勝利を通じて、「アメリカの代表として勝利をもたらす」という使命感を感じていた。特に冷戦期におけるロシア(ソ連)との対戦は、スポーツを越えた象徴的な意味を帯びており、「アメリカの名誉のために戦った」という意識が強く反映されている。最後の「カッシウス(古代ローマの英雄)」に関する比喩も、自身の名前と歴史的偉人をかけた巧みな言葉遊びであり、自己神話化の技術が垣間見える。
この名言は、アリのスポーツを超えた「語る力」と、国を背負う責任感、そして自分自身の存在を詩的に高めていく知的センスを象徴するものである。単なるボクシングの勝利ではなく、**国際舞台における誇りと表現の融合を成し遂げたアリならではの一言であり、彼の生き方と思想を最も軽やかに、かつ力強く表現した名言のひとつである。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?