「『イスラム』という言葉は『平和』を意味する。『ムスリム』は『神に従う者』という意味だ。だがマスコミは、俺たちを憎しみに満ちた存在のように見せる」

- 1942年1月17日~2016年6月3日
- アメリカ合衆国出身
- プロボクサー、社会運動家、人道主義者
- ヘビー級チャンピオンとして活躍し、「蝶のように舞い、蜂のように刺す」の名言で知られる。リング外でも公民権運動や反戦活動に関わり、スポーツと社会正義の両面で世界的な影響を与えた。
英文
”The word ‘Islam’ means ‘peace.’ The word ‘Muslim’ means ‘one who surrenders to God.’ But the press makes us seem like haters.”
日本語訳
「『イスラム』という言葉は『平和』を意味する。『ムスリム』は『神に従う者』という意味だ。だがマスコミは、俺たちを憎しみに満ちた存在のように見せる」
解説
この言葉は、モハメド・アリがイスラム教とその信者に対する誤解や偏見に抗議し、宗教の本質的な意味を明らかにしようとした名言である。アリは、自らが信じるイスラムが「平和」を核心とする宗教であること、そしてムスリムが「神への服従」という謙虚な姿勢を表す名称であることを強調し、それとは真逆のイメージがメディアによって作られていることに憤りを示している。
この発言の背景には、特に2001年以降の欧米社会における反イスラム的な風潮や、テロとの関連でイスラムが一面的に報道される現状がある。アリはそのような偏った報道が、実際には平和と信仰に基づいた生活を送る大多数のムスリムにとって、名誉を損なうものであると感じていた。彼は著名人としての立場を生かし、誤解を正し、イスラム教徒が何者であるかを直接語る責任を引き受けた。
現代においても、宗教的ステレオタイプは依然として根深い問題である。この名言は、宗教や文化に対する表面的な理解を超えて、言葉の本来の意味と、信仰に込められた価値を知ることの重要性を説いている。モハメド・アリのこの言葉は、信仰者としての誇りと、誤解されることへの痛みが交錯した、静かだが強い抵抗の声明である。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
申し込む
0 Comments
最も古い