「ムハンマドという名前は、世界で最も多い名前だ。パキスタン、サウジアラビア、モロッコ、トルコ、シリア、レバノン――世界中どの国でも、ムハンマドという名の人が一番多い。私がネイション・オブ・イスラムに入り、イスラム教徒になったとき、彼らは私がチャンピオンだったから、最も有名な名前を与えてくれた」

モハメド・アリの名言
モハメド・アリの名言
  • 1942年1月17日~2016年6月3日
  • アメリカ合衆国出身
  • プロボクサー、社会運動家、人道主義者
  • ヘビー級チャンピオンとして活躍し、「蝶のように舞い、蜂のように刺す」の名言で知られる。リング外でも公民権運動や反戦活動に関わり、スポーツと社会正義の両面で世界的な影響を与えた。

英文

”The name Muhammad is the most common name in the world. In all the countries around the world – Pakistan, Saudi Arabia, Morocco, Turkey, Syria, Lebanon – there are more Muhammads than anything else. When I joined the Nation of Islam and became a Muslim, they gave me the most famous name because I was the champ.”

日本語訳

「ムハンマドという名前は、世界で最も多い名前だ。パキスタン、サウジアラビア、モロッコ、トルコ、シリア、レバノン――世界中どの国でも、ムハンマドという名の人が一番多い。私がネイション・オブ・イスラムに入り、イスラム教徒になったとき、彼らは私がチャンピオンだったから、最も有名な名前を与えてくれた」

解説

この言葉は、モハメド・アリが自らの改名とその背景にある宗教的・文化的意義を語ったものである。1964年、アリはネイション・オブ・イスラムに改宗し、それまでの名前である「カシアス・クレイ」を捨て、「モハメド・アリ」という新たな名を受け入れた。この名は、イスラム世界で最も広く用いられている「ムハンマド」に由来し、預言者ムハンマドへの敬意と信仰の象徴である。彼はこの名を誇りをもって語り、それを通じて自らの信仰とアイデンティティを世界に示した。

アリは、自分が「チャンピオン」であったことが、この最も尊ばれる名前を与えられた理由であると述べている。この発言には、彼自身が持つ誇りと、宗教的名誉が結びついていることがうかがえる。同時に、アリはこの改名を通じて、アフリカ系アメリカ人としての歴史的背景――すなわち奴隷制度によって与えられた「白人の名前」からの脱却――という個人的かつ社会的な解放の意味合いも込めていた

この名言は、名前が単なる記号ではなく、文化・信仰・誇りを象徴するものであることを力強く訴えている。現代においても、多様性やアイデンティティの尊重が問われる中で、自らの名を選び直すことの重みとその意義は大きい。アリのこの言葉は、名に宿る力と、それを通じて自らの存在を再定義する勇気の表れであり、多くの人に深い影響を与える声明である

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