「私の講演は、イスラムの教えに基づき、さまざまな主題を扱っていた。題名には『人生という陶酔』『人生の目的』『人間の苦悩の真の原因』『人生の目標への旅』、そして私のお気に入りの一つ『人間の心』などがあった。それらの講演には、私の内奥に響く重要な洞察が込められていた」

モハメド・アリの名言
モハメド・アリの名言
  • 1942年1月17日~2016年6月3日
  • アメリカ合衆国出身
  • プロボクサー、社会運動家、人道主義者
  • ヘビー級チャンピオンとして活躍し、「蝶のように舞い、蜂のように刺す」の名言で知られる。リング外でも公民権運動や反戦活動に関わり、スポーツと社会正義の両面で世界的な影響を与えた。

英文

”My lectures, based on Islamic teachings, were on various subjects. Some of the titles were, ‘The Intoxication of Life,’ ‘The Purpose of Life,’ ‘The Real Cause of Man’s Distress,’ ‘The Journey to the Goal in Life,’ and, one of my favorites, ‘The Heart of Man.’ They contained important insights that spoke to something deep inside me.”

日本語訳

「私の講演は、イスラムの教えに基づき、さまざまな主題を扱っていた。題名には『人生という陶酔』『人生の目的』『人間の苦悩の真の原因』『人生の目標への旅』、そして私のお気に入りの一つ『人間の心』などがあった。それらの講演には、私の内奥に響く重要な洞察が込められていた」

解説

この言葉は、モハメド・アリが自らの信仰と知的探求を通じて、精神的な講演活動に取り組んでいたことを示す貴重な証言である。彼は単なるボクシングのチャンピオンではなく、イスラム教徒として改宗した後、宗教的教義に基づいて人生や心のあり方についての講話を行っていた。その講演内容の題名からもわかるように、彼の関心は内面的成長、苦悩の原因、人生の意義といった普遍的なテーマに向けられていた。

これらの講演は、アリ自身の人生経験――特にボクシング界での栄光、ベトナム戦争への徴兵拒否、社会的孤立、改宗と再生――を通して得た洞察に基づいている。「内奥に響く」とあるように、彼はこれらの思想を外向きの説教としてではなく、自己省察の結晶として語っていた。そのため、彼の講演には単なる宗教的教義を超えて、人間の実存に迫る深みがあった。

現代においても、スポーツ選手が自らの影響力を社会的・精神的な活動へと昇華させることは珍しくないが、アリはその先駆けともいえる存在である。この言葉は、信仰と人生の目的を問い続けた彼の誠実な姿勢を伝えるものであり、単なる強さではなく、「思索する人間としてのアリ」の一面を明確に浮かび上がらせる名言である

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