「軍に従えば、最後の審判の日に神から『なぜあんなことをしたのか?』と問われるかもしれない。それが嫌だった。この人生は試練の場であり、自分の行いは審判の日のために記録されていると気づくんだ」

- 1942年1月17日~2016年6月3日
- アメリカ合衆国出身
- プロボクサー、社会運動家、人道主義者
- ヘビー級チャンピオンとして活躍し、「蝶のように舞い、蜂のように刺す」の名言で知られる。リング外でも公民権運動や反戦活動に関わり、スポーツと社会正義の両面で世界的な影響を与えた。
英文
”I didn’t want to submit to the army and then, on the day of judgment, have God say to me, ‘Why did you do that?’ This life is a trial, and you realize that what you do is going to be written down for Judgment Day.”
日本語訳
「軍に従えば、最後の審判の日に神から『なぜあんなことをしたのか?』と問われるかもしれない。それが嫌だった。この人生は試練の場であり、自分の行いは審判の日のために記録されていると気づくんだ」
解説
この言葉は、モハメド・アリがベトナム戦争への徴兵拒否という決断の背後にあった宗教的信念と道徳的覚悟を語った名言である。彼はイスラム教徒として、暴力や殺戮に加担することを罪と見なし、それによって神に対する誠実さを失うことを何よりも恐れていた。この発言には、国家への忠誠よりも神への信義を優先するという、内面の強い信仰と倫理観が貫かれている。
アリはこの信念のために世界チャンピオンのタイトルを剥奪され、試合出場も禁じられたが、それでも信条を曲げなかった。この名言に表れているのは、目先の栄誉や損得ではなく、「人生とは魂の試練であり、すべての行動には最終的な意味と責任が伴う」という深い人生観である。彼にとって行動とは、単なる結果の積み重ねではなく、神との対話の中で選び取るべき「道」であった。
現代においても、個人の信念と社会的圧力の間で葛藤する場面は少なくない。アリのこの言葉は、外的な報酬や評価よりも、内面的な誠実さと一貫性がいかに重要であるかを教えてくれる。それは、信仰者だけでなく、あらゆる人にとって「自分にとって正しいこととは何か」を問い直すための、魂の重さを持った名言である。
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