「あなたは自由である。パキスタンというこの国家において、寺院に行くのも、モスクに行くのも、あるいは他の礼拝の場に行くのも自由である。あなたがどの宗教やカースト、信条に属していようとも、それは国家の仕事とは何の関わりもない」

ムハンマド・アリー・ジンナー(画像はイメージです)
ムハンマド・アリー・ジンナー(画像はイメージです)
  • 1876年12月25日~1948年9月11日(71歳没)
  • パキスタン出身
  • 政治家、弁護士、パキスタン建国の父、初代総督

英文

”You are free; you are free to go to your temples, you are free to go to your mosques or to any other place or worship in this State of Pakistan. You may belong to any religion or caste or creed – that has nothing to do with the business of the State.”

日本語訳

「あなたは自由である。パキスタンというこの国家において、寺院に行くのも、モスクに行くのも、あるいは他の礼拝の場に行くのも自由である。あなたがどの宗教やカースト、信条に属していようとも、それは国家の仕事とは何の関わりもない」

解説

この言葉は、ジンナーがパキスタン独立直後に示した宗教の自由と世俗的国家原則を象徴するものである。パキスタンはイスラムの理念を基盤に建国されたが、ジンナーはそれを宗派的独裁や信仰の強制と結びつけるのではなく、すべての市民に平等な信仰の自由を保障する国家として構想した。この発言は、国家と宗教を峻別し、信仰はあくまで個人の領域であると明言する点に大きな意義がある。

歴史的背景として、この発言は1947年8月11日の制憲議会演説に由来する。分離独立は激しい宗教対立を伴い、ヒンドゥー教徒やシク教徒などの少数派がパキスタンで不安を抱えていた。ジンナーはその不安を和らげるために、国家が宗教的差別を行わず、市民平等を原則とすることを宣言したのである。

現代においても、この言葉は強い普遍性を持つ。多宗教社会における安定は、信仰の自由と国家の中立性にかかっている。ジンナーの理念は、宗教的多様性を抱える社会において、国家は信仰に干渉せず、市民を等しく守る存在であるべきだという原則を示しており、現代の人権思想や世俗的統治に通じる教訓となっている。

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