「我々は、ある共同体と別の共同体との間に差別も区別もなく、あるカーストや信条と別のそれとの間にも差別のない時代に歩み出している。我々はこの基本原則から出発しているのだ。それは、我々が皆一つの国家の市民であり、平等な市民であるということである」

ムハンマド・アリー・ジンナー(画像はイメージです)
ムハンマド・アリー・ジンナー(画像はイメージです)
  • 1876年12月25日~1948年9月11日(71歳没)
  • パキスタン出身
  • 政治家、弁護士、パキスタン建国の父、初代総督

英文

”We are starting in the days where there is no discrimination, no distinction between one community and another, no discrimination between one caste or creed and another. We are starting with this fundamental principle: that we are all citizens, and equal citizens, of one State.”

日本語訳

「我々は、ある共同体と別の共同体との間に差別も区別もなく、あるカーストや信条と別のそれとの間にも差別のない時代に歩み出している。我々はこの基本原則から出発しているのだ。それは、我々が皆一つの国家の市民であり、平等な市民であるということである」

解説

この言葉は、ジンナーが新国家パキスタンの理念として掲げた平等と市民権の普遍性を明確に示している。彼は、宗教やカースト、共同体の違いが人々を分断してきた歴史を超えて、すべての人々を一つの国家の平等な市民として位置づけることを国家建設の基本に据えた。この思想は、宗教的基盤で誕生したパキスタンにおいても、国家は市民全体に属するという近代的理念を示すものであった。

歴史的背景として、この発言は1947年のパキスタン独立直後における状況と深く関わる。分離独立は大規模な暴力と移民を伴い、宗教対立が激化していた。そうした中でジンナーは、国家の正統性を宗派的優位に求めるのではなく、法の下の平等と共通の市民権を強調することで、新国家の統合を目指したのである。

現代においても、この言葉は強い普遍性を持つ。多民族・多宗教社会では、平等な市民権を確立することが社会の安定と発展の鍵となる。ジンナーの理念は、今日の民主主義社会における差別撤廃と法的平等の根幹的価値を先取りしており、国家統合と平和的共存を追求するあらゆる社会に通じる教訓である。

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