「インドの分割、そしてパンジャーブとベンガルの分割に完全には同意していない人々がいることは承知している。それに対して多くの批判がなされてきた。しかし今やそれが受け入れられた以上、我々一人ひとりの義務は、それに忠実に従い、最終的かつ拘束力を持つこの合意に従って名誉ある行動をとることである」

- 1876年12月25日~1948年9月11日(71歳没)
- パキスタン出身
- 政治家、弁護士、パキスタン建国の父、初代総督
英文
”I know there are people who do not quite agree with the division of India and the partition of the Punjab and Bengal. Much has been said against it, but now that it has been accepted, it is the duty of every one of us to loyally abide by it and honourably act according to the agreement which is now final and binding on all.”
日本語訳
「インドの分割、そしてパンジャーブとベンガルの分割に完全には同意していない人々がいることは承知している。それに対して多くの批判がなされてきた。しかし今やそれが受け入れられた以上、我々一人ひとりの義務は、それに忠実に従い、最終的かつ拘束力を持つこの合意に従って名誉ある行動をとることである」
出典
出典不詳(編集中)
解説
この言葉は、ジンナーがインド分割の不可避性とその受け入れの必要性を国民に訴えたものである。パンジャーブとベンガルの分割は大規模な暴力と移民を引き起こし、多くの人々がその妥当性に疑問を抱いていた。ジンナーは批判の存在を認めつつも、決定が下された以上、それを受け入れて国家の秩序を守ることが最優先であると説いた。ここには、混乱を避けて新国家を安定させようとする現実的な指導者の姿勢が表れている。
歴史的背景として、1947年のインド・パキスタン分離独立は、宗教対立を背景に流血を伴う悲劇的な出来事となった。パンジャーブやベンガルのような多宗教地域では分割線の決定に強い不満があり、住民は難民化や暴力に巻き込まれた。ジンナーはそうした不満を理解しつつも、国家の未来のために合意を尊重する必要性を国民に呼びかけたのである。
現代においても、この言葉は重要な示唆を与える。国家や社会において大きな分断や妥協を伴う決定が下されると、必ず反対や不満が残る。しかし、安定を築くためには一旦決まった合意を尊重し、建設的に前進することが求められる。ジンナーの発言は、不完全な合意であっても、それを守ることが国家の秩序と未来を支える基盤になるという普遍的な教訓を伝えている。
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