「女性が人生において本来の役割を果たすことを妨げ、権利において平等であるために男性の義務を担うよう駆り立てるあらゆる物質的条件を終わらせる世界革命が必要である」

カダフィ大佐(画像はイメージです)
  • 1942年6月7日~2011年10月20日(69歳没)
  • リビア出身
  • 軍人、政治家、革命指導者、リビア国家元首

英文

”There must be a world revolution which puts an end to all materialistic conditions hindering woman from performing her natural role in life and driving her to carry out man’s duties in order to be equal in rights.”

日本語訳

「女性が人生において本来の役割を果たすことを妨げ、権利において平等であるために男性の義務を担うよう駆り立てるあらゆる物質的条件を終わらせる世界革命が必要である」

解説

この言葉は、カッザーフィーの女性観と社会改革思想を示している。彼は『緑の書』において、女性が本来の役割を果たせるような社会の実現を訴えた。ただしその「本来の役割」とは、伝統的に母性や家庭を中心としたものであり、西欧的な男女平等論とは一線を画していた。つまり彼の主張は女性解放を掲げつつも、性別役割を固定的に捉える側面を持っていた。

歴史的背景として、この発言は20世紀後半の急速な女性解放運動と社会的変化を反映している。欧米では女性が労働市場に進出し、政治的権利を拡大していたが、カッザーフィーはそれを「物質的条件による歪み」と捉えた。女性が男性と同じ義務を果たすことで権利を得るのではなく、社会制度そのものを変革して女性の権利を保障すべきだという論理がここにある。

現代的視点から見れば、この発言は男女平等のあり方をめぐる議論に通じる。男女が同じ義務を担うことで初めて平等になるのか、それとも異なる役割を尊重しながら権利を保障するのかという問いは、今日でも多くの社会で議論されている。したがって、この言葉は時代背景に根差した制約を含みつつも、社会改革とジェンダー平等をめぐる普遍的な問題提起として読むことができるのである。

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