「私の存在は、人々が望むあらゆる変革を扇動し鼓舞するためであり、彼らが望まない変革を強要しないためのものである」

カダフィ大佐(画像はイメージです)
  • 1942年6月7日~2011年10月20日(69歳没)
  • リビア出身
  • 軍人、政治家、革命指導者、リビア国家元首

英文

”My presence is to instigate and incite the people for any change they want, and for not having a change that they don’t wish to do.”

日本語訳

「私の存在は、人々が望むあらゆる変革を扇動し鼓舞するためであり、彼らが望まない変革を強要しないためのものである」

解説

この言葉は、指導者としての自らの役割を人民の意思の代弁者と位置づける姿勢を表している。カッザーフィーは「人民の権力」を掲げた『緑の書』の思想を基盤に、リビアを大衆会議と人民委員会による直接民主制と称する体制へ導いた。その根底には、人民の望む変革を推進し、望まない変革は行わないという理屈があった。

しかし実際には、彼の統治は強権的であり、反対派の弾圧や独裁的な意思決定が目立った。したがってこの言葉は、理念と現実の乖離を示す象徴的な発言でもある。理想としては民衆の意思を尊重する政治であっても、現実には権力維持のための統制と操作が伴っていた。

現代において、この言葉は政治指導者と民意の関係を考える上で普遍的な意味を持つ。民主主義社会でも、指導者は民意を尊重すると語りながら、実際には自らの政策を押し進める場合がある。したがって、この発言は「民意を盾にした政治権力の正当化」と「本来あるべき人民主権」の両面を示しており、政治における理想と現実のギャップを考える契機となるのである。

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