「私はパレスチナ国家もイスラエル国家も承認できない。パレスチナ人も愚かであり、イスラエル人も愚かである」

カダフィ大佐(画像はイメージです)
  • 1942年6月7日~2011年10月20日(69歳没)
  • リビア出身
  • 軍人、政治家、革命指導者、リビア国家元首

英文

”I cannot recognise either the Palestinian state or the Israeli state. The Palestinians are idiots and the Israelis are idiots.”

日本語訳

「私はパレスチナ国家もイスラエル国家も承認できない。パレスチナ人も愚かであり、イスラエル人も愚かである」

解説

この言葉は、カッザーフィーの中東和平における独自の立場を示している。彼は二国家解決を強く否定し、ユダヤ人とパレスチナ人が共に暮らす「一国家解決」を主張していた。そのため、双方の国家の正統性を認めず、交渉や妥協を繰り返す指導者たちを愚かだと断じたのである。この発言には、対立構造そのものを無意味と見なす急進的な思想が込められている。

歴史的背景として、オスロ合意以降もイスラエルとパレスチナの和平は停滞し、暴力の連鎖が続いていた。カッザーフィーは、双方が国家を別々に持つという発想自体が紛争の原因であると考え、どちらの立場も支持しなかった。このような立場は、アラブ世界の中でも異端であり、彼の孤立を深める一因にもなった。

現代的な視点から見れば、この発言は対立の根深さと解決策の困難さを浮き彫りにしている。互いを愚かと断じる極端な表現は挑発的であるが、同時に妥協なき和平交渉の行き詰まりを映し出しているともいえる。結果としてこの発言は、和平の実現可能性に疑問を投げかけつつ、民族共存の必要性を逆説的に示しているのである。

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