「私は国際的指導者であり、アラブ諸国の統治者の長であり、アフリカの諸王の王であり、ムスリムのイマームである。そして私の国際的地位は、私がより低いレベルに降りることを許さない」

- 1942年6月7日~2011年10月20日(69歳没)
- リビア出身
- 軍人、政治家、革命指導者、リビア国家元首
英文
”I am an international leader, the dean of the Arab rulers, the king of kings of Africa and the imam of Muslims, and my international status does not allow me to descend to a lower level.”
日本語訳
「私は国際的指導者であり、アラブ諸国の統治者の長であり、アフリカの諸王の王であり、ムスリムのイマームである。そして私の国際的地位は、私がより低いレベルに降りることを許さない」
解説
この言葉は、カッザーフィーが自らの地位を誇大かつ象徴的に表現した発言である。彼はリビアの指導者にとどまらず、アラブ世界やアフリカ大陸全体、さらにはイスラム共同体をも代表する存在であると自任した。特に「アフリカの諸王の王」という称号は、2008年に多数のアフリカ部族の伝統的首長から与えられた肩書きに由来している。これにより彼は自らを大陸規模の権威者と位置づけた。
歴史的背景として、この発言はカッザーフィーが汎アフリカ主義とアラブ連帯を推進していた時期に関連する。彼はアラブ諸国の統合やアフリカ連合の強化を訴え、自らをその中心に据えようとした。また、「ムスリムのイマーム」としての自称は、宗教的指導者としての正統性を主張する試みでもあった。これは彼の国内外における権威を強化するプロパガンダ的意味合いを持つ。
現代の視点から見れば、この発言は指導者が自己神格化を進める過程を示すものである。過剰な称号の羅列は、国際社会ではしばしば滑稽と受け取られたが、国内外の支持層に対してはカリスマ性を高める効果を狙ったといえる。この言葉は、カッザーフィーの政治的野望と自己像の誇張を端的に示すものであり、独裁的指導者の典型的なレトリックとして記憶されている。
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