「40年間、私は支配者ではなかった。権力は人民のものである。彼らは私から何も奪わず、私に何も加えることもない」

- 1942年6月7日~2011年10月20日(69歳没)
- リビア出身
- 軍人、政治家、革命指導者、リビア国家元首
英文
”For 40 years, I have not been the ruler – the authority has been with the people. They take nothing from me or add anything to me.”
日本語訳
「40年間、私は支配者ではなかった。権力は人民のものである。彼らは私から何も奪わず、私に何も加えることもない」
解説
この言葉は、カッザーフィーが自らの体制を「人民の直接民主主義」と位置づけていたことを反映している。彼は『緑の書』において、代議制民主主義を否定し、人民大衆会議や人民委員会による統治こそが真の民主主義であると主張した。そのため、自らは「指導者」ではあっても「統治者」ではなく、権力は人民の手にあると語ったのである。
しかし実際には、リビアの体制はカッザーフィー個人に権力が集中する独裁的支配であった。大衆会議は形式的な存在にすぎず、反対派への弾圧や情報統制が行われた。したがって、この言葉は理想と現実の乖離を示すものであり、彼自身の権力を正当化するためのレトリックとして機能していた。
現代的な視点から見ると、この発言は政治指導者が「自らは支配者ではない」と主張する典型的な自己正当化の言説として理解できる。同時に、民主主義の名を掲げながら実態が独裁に近い体制が存在するという事実を考える契機ともなる。つまり、この言葉は彼の政治哲学の核心を示しつつ、その矛盾をも浮き彫りにしているのである。
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