「面会日というものを極めている人もある。極めるとなると、なんだか自分で自分を縛るような心持がして不愉快である」

森鴎外の名言・格言・警句(画像はイメージです)
森鴎外の名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1862年2月17日~1922年7月9日(60歳没)
  • 日本出身
  • 小説家、評論家、翻訳家、軍医

原文

「面会日というものを極めている人もある。極めるとなると、なんだか自分で自分を縛るような心持がして不愉快である」

解説

この言葉は、人との交流や面会を固定化することによる心理的束縛感について述べている。「面会日を極める」とは、会う日をあらかじめ決めておく習慣を指すが、それは一見効率的で秩序ある行動に見える反面、自由を奪う側面もある。著者は、この「極める」という行為が、自らを規則で縛る感覚を生み、不愉快になると感じている。

背景には、人間関係は自然で自発的な流れであるべきだという価値観がある。予定を固定すると、会うことが義務化され、本来の交流の楽しさや自然さが損なわれる可能性がある。自由な意志によって会うのと、決まった日だから会うのとでは、心理的な意味合いが異なる。

現代でも、スケジュール管理や定期的な会合は有用だが、過度に形式化すると関係が「義務化」し、負担感が増す。この言葉は、自由な交流の価値と、規則化による束縛の危うさを示しており、効率と自発性のバランスを取る重要性を教えている。

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